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[08/11/25-15:36]
【コラム】インド生活(3)「住」─ 根気よく育てるように、住環境を調える[坂田マルハン美穂 ]

「衣」「食」と続いた当コラムの最後は「住」。富裕層や、先進諸国からの赴任者が暮らす都市部の高級アパートメントビルディング(日本でいうマンション)についての話題だ。
日本では、新築物件を購入する際、内装が仕上がっている場合が大半だが、インドは欧米同様、 内装は「白紙状態」。壁やフロア、クローゼットやバスルームなどの内装工事全般を購入者が施す。つまり同じビルディング内でも、アパートメントによって内装が異なる。たとえばフロア。従来、高級物件では、インド産の白っぽい大理石を使用するのが一般的だったが、最近では淡い暖色系のイタリア産大理石をはじめ、高品質のタイル、木製フローリングなどの人気が高い。 大理石やタイルは涼しい上、全国的に砂埃の多いインドでは掃除をしやすいという利点がある。カーペットを敷き詰める習慣はない。
集合住宅の間取りは従来、3−5寝室に使用人用の小部屋を備えた物件が主流だった。両親や兄弟夫妻と同居するジョイントファミリーが多かったからだ。しかし昨今の新興住宅地に見られる物件は、1寝室や2寝室といった 居住面積が狭い核家族向けが増えている。使用人部屋のかわりに洗濯機や乾燥機、食器洗浄機など、家電製品のためのスペースが設けられたものも見られ始めた。
ここ10年足らずで、ライフスタイルに著しい変化が見られるインドだが、電力供給は相変わらず不安定。停電も多く、家電に負担がかかりやすいため故障が少なくない。アフターケアのしっかりしたメーカーを選ぶことが肝要だ。最近では、電力の安定供給装置を備えた冷蔵庫なども発売されている。変化の多い家電製品にあって、従来と変わらないのが湯沸かし器。バスルームには、ギザ(geyser)と呼ばれる湯沸かし器が備え付けられている。気温にもよるが、入浴の数十分前にスイッチをいれての加熱が必要だ。いつまでも潤沢に湯が出続けるわけではないので、おのずとカラスの行水になってしまう。また都市ガスが通っていないので、プロパンガスを購入せねばならない。常時2本を備えておき、1本が切れたら、新しいものを注文して届けてもらうといった手間が必要だ。
さて転居の際、一般的には「新しい物件に住みたい」と思うのが常だろう。しかし、インドでそれは禁物。なぜならできたばかりの物件は、 水漏れや電気系統の不備、内装の不完全といったトラブルが尽きないからだ。最初に入った居住者は、それらの問題をひとつひとつ改善していかねばならない。とはいえ、築数年の物件ならば安心かといえば、そういうわけでもない。新築よりはまし、と考えておいた方がいいだろう。問題点を解決しながら、育てるように暮らす。それがインドの住生活なのだ(体験談へつづく)。
【コラム】インド生活(2)「食」─まるで薬膳のような家庭料理(2008年11月4日)
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福岡市出身。ライター/エディター/レポーターなど。東京の出版・広告業界を経て、1996年に渡米。ニューヨークで出版社設立。2001年インド人男性と結婚。05年バンガロールに移住。08年〜2010年はムンバイとの二都市生活。著書にポプラ社刊『街の灯』。西日本新聞に『激変するインド』を連載中(月1回)。RKBラジオやFM熊本でインド生活をレポート中。インド生活に役立つ情報満載のホームページはこちら。
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